ひきこもりと人手不足について

40〜64歳のひきこもりが全国に61・3万人!
 以前、会社の総務・人事を経験した経緯から内閣府の公表する各種統計に注目することが多々あります。また世の中のひとに関する社会問題にも少なからず関心があります。
 そんな個人の主観から、こういった結びつきは難しいのかな?と感じることがあります。

 

 内閣府3月29日公表分から、40〜64歳のひきこもり状態の人が全国に61・3万人。「中高年ひきこもり」の全国規模の数が明らかになるのは初めてであり、従来ひきこもりは青少年・若年期の問題と考えられてきたが、その長期化・高年齢化が課題となっているようです。

 

 このニュースは20年程前に言われたひきこもり者が、年を重ねたことによる延長線上のもの、加齢によるものだと捉えていました。でも実際には多くの複雑な要素が絡み合った問題のようです。


ひきこもりの定義とは?

ひきこもりの定義とは?

 ひきこもりという言葉が世に登場したのは、1990年代半ば頃。当時は若者特有の現象で青少年・若年期の問題と考えられていました。

 

仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態。これらのひきこもり現象は親の経済的な、また家族の収入があってこそ成り立つもの。(アフェリエイト収入等の例外もあります。)

 

 傾向として、20 - 29歳の男性に経験者が多く、高学歴の両親がいる家庭があげられます。

 

  ところが今回の推計は、ひきこもる中高年の子と高齢の親が孤立する「8050(はちまるごーまる)問題」や就職氷河期世代(ロストジェネレーション)の多くが40代に達している点も大きな意味をもっているようです。

引きこもりの高年齢化及び長期化

引きこもりの高年齢化及び長期化
 支える家族の平均年齢も上昇し、高齢化の親の要介護という問題。
万が一、唯一の肉親からの支えがなくなった時、本人に対する生活保護への切り替えも予想されます。

 

 また年功序列制度の崩壊により、中高年の再就職では募集年齢の適合から書類選考で落とされることも多く、労働者不足による雇用の発生・機会がありながら高年齢者は就業できない現実があります。

 

 能力(スキル)より年齢での採用決定、労働の意欲はあっても、安定して稼げない日本の社会構造があげられます。労働者不足において若い外国人労働者はコンビニや飲食業などのサービス産業では既に必要不可欠な労働力となっています。

 

支援制度はあるのでしょうか?
 中高年の再就職の困難、再就職期間の長期化による本人の自信喪失。
精神疾患を抱えている人、心理的なケアや社会参加プログラムを整備して、この人たちが今後自分で生きていけるように支援する必要があると思います。

 

 年齢に区別されない、引きこもりの人に特化した職業訓練や斡旋があればなおさら良いでしょう。

 

 バブル崩壊後の超氷河期世代の犠牲者でもあり、労働力の”社会的損失”からすると国の早急な対策を望みます。個人情報の問題もありますが、今回の調査結果を生かし、地域の保健センターなどから訪問、そして医療や福祉、介護につなげられるような関連機関の連携と支援が急務でしょう。

 

 自分はまだ社会で必要とされている、そう自覚し1日も早い社会復帰を望みます。

人手不足倒産(2013〜18年)の動向調査に思う事

2018年度の「人手不足」関連倒産が過去最多の400件
 2018年度の「人手不足」関連倒産が過去最多を記録したようです。多くの会社では事業承継が重要課題となっている中、「後継者難」による倒産が全体の6割(構成比67.2%)を超え、さらに「求人難」型や「人件費高騰」型が押し上げたようです。

 

 産業別での分類では、サービス業が最も多く、帝国データバンクの「人手不足倒産」の動向調査(2013〜18年)によれば、同様の人手不足倒産の企業で負債規模が1億円未満は59.5%、1〜5億円未満は35.3%、5〜10億円未満は3.9%、10億円以上は1.3%と、多分を小規模企業が占めています。

 

 企業倒産が低水準をたどるなか、 人手不足関連倒産の増勢ぶりが目を引きます。

 

会社の経営と人材募集難の複雑な関係

 わかりやすく例えると、人がいないわけではありません。高い賃金で募集をかければ、人材は確保できます。
しかし人件費の高騰は企業の業績を圧迫し、経営が成り立ちません。

 

 また、社会全体に仕事がないわけではありません。低賃金でも構わないということであれば、幾らでも仕事に就くことは可能でしょう。。
ですが、それでは生活自体がが成り立ちません。

 

 ここに会社経営と人材募集難の相対的な関係が存在します。

就職氷河期の非正規・無職の採用するのも一案かも

 世の中の人材募集年齢は、実際には35歳までが(人材育成等の理由で)ほとんどのようです。日本という国の労働力を考えたとき、就職氷河期の人たちの人材登用を最優先するのも一案だと思います。将来、経営者の怠慢が引き起こした結果、一般雇用がなくなり、貴重な技術が失われ、納税額も減少すれば国の衰退にもつながりかねません。

 

 サービス産業における外国人労働者へのシフトも日常化してきています。コンビニエンスストアや外食チェーン、また土建業を含め募集をかけても日本人労働者が集まりません。長いスパンで考えた時には、事業継承や後継者不足等の重要課題がより深刻な社会問題化となりそうです。

 

 ここで冒頭の中高年のひきこもり問題を定義してみたいと思います。働けるのに働こうとしない方もいるでしょう。でも貴重な労働力と捉えたとき、企業は受け入れに関する研修や社会復帰プログラムの推奨を検討してみては如何でしょうか。

 

 もちろんすべての人達に当てはまるとは思いません。引きこもりの人の中には一線で活躍していた人も少なくないと聞きます。未経験者から一人前まで育成するコストや時間より、かって所属していたひきこもり対象者への支援及び社会復帰プログラムのほうが適材適所に良いかもしれません。

 

トップへ戻る