台風19号の洪水を防いでいた”地下神殿”の秘密。

日本列島に深刻な被害 
 2019年10月12日東日本に上陸した台風19号は、日本各地に大きな被害をもたらしました。多くの河川の堤防決壊や流されていく自宅、自衛隊によるボートでの救出作業など目を覆いたくなるような映像を目のあたりにしました。

 

 毎年のように幾度となく繰り返される自然災害。時として、個人の土地や家屋それに家族の思い出の詰まったふるさとさえも奪うこともあります。

 

 なかでも今回の堤防決壊による大規模な洪水は大きな脅威です。そんな洪水対策として、川の氾濫(はんらん)を防ぐために活用されている首都圏外郭放水路について調べてみました。

 

世界最大級の地下放水路

国土交通省関東地方整備局より

 こちらは洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路の首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)です。通称「地下神殿」とも言われ、平成5年に着工し、完成したのは平成18年。全長は約6・3キロ、放水路は地下50メートルを流れ総工費は約2300億円。

 


地下神殿で一度にためられる水量は67万立方メートル!

すべての施設がフル活動 
 すべての施設がフル活動するのは、茨城県の鬼怒川が氾濫した2015年の関東・東北豪雨以来2回目。

 

 この地下神殿に一度に貯水可能な量は、サンシャイン60と同じくらいの容積量の67万立方メートル。

 

 今回の台風の影響下では、10月12日から14日の2日間にサンシャイン60ビル15杯分の1千万トンを排出。ちなみに2015年の関東・東北豪雨では、約倍の1900万トンを排出したと言われています。


首都圏外郭放水路のしくみ

ポンプで川幅が広い江戸川に排出する仕組み 

国土交通省関東地方整備局より

 

 川の氾濫(はんらん)を防ぐための地下神殿は、調圧水槽に水をためて、ポンプで川幅が広い江戸川に排出する仕組みです。立坑と呼ばれる調圧水槽は全部で5か所あり、それぞれ中川、、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川といった利根川水系の河川に対応しています。これらの立坑に流れこんだ大量の水が、地下50メートル、全長6・3キロの世界最大級の放水路へと導かれ、ゆとりのある江戸川に排水されるのです。

 

 今回のような超大型の台風では、次第に河川の水位が上昇。10月12日午前11時頃から雨水の取り込みを開始、午後7時過ぎには江戸川への排水が始まったと報告されています。実際の稼働状況としては、平成27年9月の関東・東北豪雨以来の5河川からの同時流入となりました。

 

 5か所ある河川、中川、、倉松川、大落古利根川、18号水路、幸松川の増水した大量の水を受け入れ時間をかけて江戸川へ排出する。時間と税金、それに高度な地下設備構築技術が投入された地下神殿の実力は賞賛に値することでしょう。

 

地下50メートルの調圧水槽こと首都圏外郭放水路

自然災害対策について

繰り返される自然災害に
 左側の画像を見てください。顕著に巨大設備設置の前後の比較ができるでしょう。

 

 日本では、異常気象により洪水量の記録更新が毎年のように数字として現われています。

 

 真夏の最高気温の上昇や局地的な豪雨など、確かにおかしいと感じるような気象が発生し、長期的なビジョンには悲観視せざるを得ません。

 

 仮設住宅での生活者の増加や自然災害による経済的な損失等、問題の解決に対して受け身あってはならないでしょう。

 

 今できること、実際の効果検証をさらに加速させて人命のうしなわれることのないように将来に備えてほしいと思います。


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