在宅介護、これからの介護について

在宅介護、これからの介護について

要介護・要支援認定申請について

 

介護保険とは?
  介護保険は、40歳以上のみなさんが加入者(被保険者)となって保険料を納め、介護が必要になったときに介護サービスを利用できる制度です。

 

要介護認定
  2000年度に導入された介護保険制度に基づき、要支援1〜2と要介護1〜5の7段階に分けられそれぞれの段階ごとに、使用できるサービスの上限金額が決められています。

 

 利用者が窓口となる市区町村に申請した後、訪問調査や医師の意見などを参考に、市区町村が設置する介護認定審査会で判定されます。認定されますと必要度や費用に応じてホームヘルパーなどの介護サービスが受けられます。

 

 要介護度が高いと認定された人ほど受けられる上限額は高くなり、この上限の限度額を超えた分は自己負担となります。

 

1.要介護認定の流れ
申請
 介護サービスを利用するには、まず「要介護・要支援認定申請」をする必要があります。申請先は、住民登録地の市(区)役所・町村役場です。

 

 ただし、介護保険施設に入所中のかたは、以前住んでいた住所地の市(区)役所・町村役場になる場合がありますので、おわかりにならないときは、住民登録地の市(区)役所・町村役場または前住地の市(区)役所・町村役場へお問い合せください。

 

2.認定調査・主治医意見書
認定調査・主治医意見書
 市が申請を受け付けると認定調査員が調査に伺います。 また、申請書に記載されている主治医あてに市が「主治医意見書」の提出を依頼します。

 

3.介護認定審査会
 認定調査員の調査内容と主治医意見書の内容から、市の介護認定審査会が申請者の要介護度を判定します。審査会の判定結果に基づいて市が要介護度を決定すると、市は要介護度の記載された「介護保険被保険者証」を交付します。

 

4.サービス計画(ケアプラン)の作成
 被保険者証がお手元に届いたら、「要介護1〜5」のかたは民間の居宅介護支援事業所と契約を結び、ケアマネジャーと利用したいサービスについて相談をします。

 

 「非該当」または「要支援1・2」のかたは、住所地を管轄する地域包括支援センターと、利用したいサービスについて相談をします。相談の結果ケアプランが作成されましたら、そのプランに基づいて介護サービスが開始されます。

 

 介護保険の支給限度額以内で介護サービスを利用したら、その利用料金の1割または2割を負担していただきます。ただし、要介護度に応じて介護保険の支給限度額は異なります。
 一定範囲を超えた部分の利用料金は、全額が自己負担となりますので、ご注意ください。また、ご自身の負担割合については、負担割合証をご確認ください。

 

申請できる人は
1. 65歳以上のかた(第1号被保険者)
 すべてのかたが申請できます。申請して介護が必要と認定されるとサービスを利用できます。理由は問われません。

 

2. 40歳から64歳未満で医療保険に加入しているかた(第2号被保険者)
加齢に起因して発症した特定疾病に罹患しているかただけが申請できます。特定疾病が原因となって介護が必要と認定されるとサービスを利用できます。加齢に起因して発症した特定疾病以外の原因で介護が必要になった場合(たとえば交通事故など)は、介護保険の対象にはなりませんのでご注意ください。

 

申請書は
 市政窓口・地域包括支援センターに備えてあります。
 申請書の提出にあたっては、平成28年1月以降、マイナンバーの記載・提示およびマイナンバー法に基づく本人確認が必要となっています。 迅速な介護認定を行うために、「介護認定申請書」ならびに「認定調査連絡票」の計2枚の提出が必要です。

 

 通常、申請してから30〜60日程度が必要です。
なお、現在医療保険適用病床に入院中の場合の要介護認定申請については、ご本人のお体の状態が安定し退院する日にちが決まってから申請してください。

 

認定された後は
  要介護(要支援)認定には、有効期間があります。認定を受けて介護サービスを利用しているかたが継続してサービスを利用する場合は、有効期間が終了する約60日前に郵送している「有効期間終了のお知らせ」をご覧いただき、有効期間が終了する前に更新申請をしてください。

 

 介護認定の更新は義務ではありません。当面介護保険サービスを利用する予定のないかたは更新をする必要はありません。

 

 認定申請はいつでもすることができますので、将来必要が生じたときに改めて申請することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

有料老人ホームとは?

 

 それぞれに特徴のある有料老人ホーム。いったいどんな違いや内容を含んでいるのでしょうか?

 

  有料老人ホームとは高齢者が暮らしやすいように、食事サービスや介護サービス(入浴・排泄・食事など)、洗濯・掃除などの家事援助、健康管理のいずれかが受けられます。 介護サービス利用法の違いにより、「介護付」「住宅型」「健康型」の3つのタイプに分かれます。それぞれに、特徴がありますので内容を理解した上で、入居を検討してみましょう。

 

介護付有料老人ホーム
 介護が必要な方が対象。特定施設入居者生活介護の指定を受けている有料老人ホームであり、施設常駐のスタッフによる介護サービスがあります。

 

 食事だけでなく、入浴や排せつなど日常生活全般の介護サービス・生活サービスの提供も受けられます。「介護付有料老人ホーム」は、介護が必要になれば、施設の介護スタッフによって介護サービスが提供される高齢者向けの居住施設です。

 

住宅型有料老人ホーム
  介護が必要な人だけでなく、介護は不要という人の両方が対象。食事などのサービスは提供されますが、施設常駐の介護スタッフによる介護サービスは提供されません。
 介護が必要な人は自宅にいるときと同様に、訪問介護などの外部の介護サービスを受けることになります。

 

 その場合、介護保険料の負担は在宅介護サービスを利用したときと同じになります。
「住宅型有料老人ホーム」は、介護が必要になれば、外部の介護サービス事業者と別途契約が必要になります。

 

健康型有料老人ホーム
 自立した高齢者のみが対象。露天風呂やトレーニングルームをはじめ、元気な方が暮らしを楽しむための設備が充実している施設が多いのが特徴です。
食事などのサービスは提供されますが、介護が必要になったら退去しなければいけません。

 

 「健康型有料老人ホーム」は、介護が必要になると退去しなければなりません。 その数も全国でごくわずかです。

 

介護施設の基礎知識として
訪問介護
 住みなれた自宅にいながらにして受けられる介護サービスです。ホームヘルパーが自宅に訪問し、食事や排泄等のサポートを行います。
 サービスの内容は、ケアプランと呼ばれる介護サービスの計画書に基づいて決められます。

 

 しかし、ホームヘルパーは常に自宅にいるわけではありませんので、家族による介護も必要となります。また、医療依存度や介護度が重度化した場合は自宅での対応が困難な場合があります。

 

通所介護
  日中に日帰りで、入浴・食事・レクリエーション等のサービスが受けられるセンターへ通う形式の介護サービスです。
「デイサービス」とも呼ばれています。
日中は、家族による介護の負担を軽減することができます。

 

特別養護老人ホーム
  社会福祉法人や地方公共団体が運営母体となっている公的な介護施設で、「特養(とくよう)」とも呼ばれています。
自宅での介護が困難で介護度が重い人から優先的に入居となり、介護に関わる家族の負担を大幅に軽減することができます。

 

 入居条件は原則として要介護3以上となっています。
また、利用料が低額であるため入居待機者も多く、厚生労働省の発表では、全国で約36万人が入居待ちの状態となっています(2016年時点)。

 

グループホーム
 認知症と診断された人が、少人数で共同生活をするための施設です。

 

 入居者の能力に応じて家事などを分担し、自立した生活をおくります。医療依存度や介護度が重度化した場合は退去となる場合があります。

 

有料老人ホーム
  民間事業者が運営する、高齢者のための介護施設を「有料老人ホーム」といいます。この「有料老人ホーム」の中で、行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を「介護付有料老人ホーム」といいます。

 

 食事・入浴・排泄などの介護サービスが受けられる他、レクリエーションや設備面などのサービスも充実しています。
介護に関わる家族の負担を大幅に軽減することができます。

 

 「介護付有料老人ホーム」の入居条件は、自立または要支援1から入居可能な「混合型」と、要介護1以上限定の「介護専用型」があり、受け入れの幅が広いため、特別養護老人ホームよりも比較的速やかに入居することができます。

 

サービス付き高齢者向け住宅
  居室の広さや設備と、バリアフリー構造に関して明確な基準が設けられており、安否確認と生活相談サービスが義務付けられています。

 

 介護が必要な場合は、訪問介護などの介護サービスを利用することになります。
医療依存度や介護度が重度化した場合は退去となる場合があります。

 

 

 

介護用品のレンタルについて

 

 介護用品のレンタルについてまず注意することがあります。介護認定の申請を行なっていない場合のレンタル可能ですが、一般レンタル(全額自己負担)となります。

 

 介護保険(レンタル料金の1割が自己負担)を利用する場合は、まずはお住まいの市町村窓口に介護認定の申請を行なってください。申請の結果、要介護認定を受けた場合は、申請日にさかのぼって介護保険のサービスを受けることができます(介護保険施行規則 第38条「要介護認定の有効期間」)。

 

 つまり、申請日からが保険給付の対象期間となり、介護保険の対象となっている福祉用具については、レンタル料金の1割の自己負担で介護保険のサービスを受けることが可能になります。但し、申請の結果、自立と認定された場合は、介護保険のサービスを受けることはできません。その場合は、各市区町村で独自に行っている給付サービスをご確認ください。

 

福祉用具にはどんな種類があるのでしょうか?
  レンタル(貸与)の対象となっている主な福祉用具は、次の物があげられます。

 

対象品目と福祉用具の内容

 

車いす 、自走用標準型車いす、普通型電動車いすまたは介助用標準型車いす。 車いす付属品 クッション、電動補助装置等、車いすと一体的に使用されるものに限ります。

 

特殊寝台 サイドレールが取り付けてあるものまたは取り付けることが可能なものであって、次に掲げる機能のいずれかを有するものが対象となります。

 

1.背部または脚部の傾斜角度が調整できる機能
2.床板の高さが無段階に調整できる機能

 

 

特殊寝台付属品
 マットレス、サイドレール等であって、特殊寝台と一体的に 使用されるものに限ります。

 

床ずれ防止用具 次のいずれかに該当するものに限ります。

 

1.送風装置または空気圧調整機能を備えた空気マット
2.水等によって減圧による体圧分散効果をもつ

 

全身用マット
  体位変換器 空気パット等を身体の下に挿入することにより、居宅要介護者等の体位を容易に変換できる機能を有するものに限り、体位の保持のみを目的とするものを除きます。

 

手すり
  取り付けに際し工事を伴わないものに限ります。

 

スロープ
段差解消のためのものであって、取り付けに際し工事を伴わないものに限ります。

 

歩行器
  歩行が困難な者の歩行を補う機能を有し、移動時に体重を支える構造を有するものであって、次のいずれかに該当するものに限ります。
 1.車輪を有するものにあっては、体の前および左右
   を囲む把手等を有するもの
 2.四脚を有するものにあっては、上肢で保持して移動
   させることが可能なもの

 

歩行補助つえ
 松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチおよび多点杖に限ります。

 

認知症老人徘徊感知機器
  認知症老人が屋外へ出ようとした時等、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するものが対象となります。

 

移動用リフト
 (つり具の部分を除く) 床走行式、固定式または据置式であり、かつ、身体をつり上げまたは体重を支える構造を有するものであって、その構造により、自力での移動が困難な者の移動を補助する機能を有するもの(取付けに住宅の改修を伴うものを除く)が対象となります。

 

自動排泄処理装置
 尿又は便が自動的に吸引されるものであり、かつ、尿や便の経路となる部分を分割することが可能な構造を有するものであって、居宅要介護者等又はその介護を行う者が容易に使用できるものが対象となります。
  但し、交換可能部分(レシーバー、チューブ、タンク等のうち、尿や便の経路となるものであって、居宅要介護者等またはその介護を行う者が容易に交換できるもの)は除かれます。

 

どんな介護ベッドが良いの?
  介護ベッドは、被介護者にとっても介護者にとっても重要な役割を果たしばす。機能性や利用者との相性をよく見極めて選びましょう。
介護者の負担が軽減されれば、被介護者にとっても自立の助けとなります。

 

 

 

介護保険タクシー、介護タクシーについて

 

 在宅介護する人にとり、高齢者の移動はとても大変です。夏や冬などの季節的なもの、雨や真夏日といった天候にも左右されがちです。こうした中利用されているのが、介護保険タクシーや介護タクシーです。

 

 介護保険タクシーは、介護保険指定業者番号を取得した業者によって運営されています。ケアプランに盛り込まれていれば、通院時乗降介助という訪問介護サービスとして介護保険が適用されます。また、全額自己負担で同様のサービスを受けることも可能です。

 

 このブログでは介護保険を活用したタクシーを介護保険タクシー、それ以外のタクシーを介護タクシーと位置づけていこうと思います。

 

介護保険タクシーの利用対象者
 介護保険タクシーは訪問介護に含まれるサービスですが、利用するには下記条件に合致することが必要です。

介護度が要介護1以上の人
 公共の乗り物(電車やバス)に一人で乗車できない人
 担当ケアマネージャーが必要と判断し、ケアプランに盛り込まれている人

 

 これらの条件に当てはまり、自宅で生活している人、有料老人ホームやケアハウス、サービス付き高齢者住宅に入居している人が対象です。なお、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設などに入所している人は、介護保険を利用した介護タクシーは利用対象外となります。乗降介助は施設の職員にお願いしてください。

 

介護保険タクシーの利用の流れ
 介護保険タクシーを利用する場合、まずはケアマネジャーに相談をして、ケアプランに入れてもらいます。そのうえでケアマネジャーが介護保険タクシー事業者へ依頼。事業者と利用者で契約を結び利用開始です。

 

 通常、介護保険タクシーはケアプランに基づいて利用します。ただし、介護保険外の利用も可能です。その場合も、同様にサービス事業所へ連絡することとなります。

 

介護保険タクシーのサービス内容

 

介護保険タクシーが利用できるケース
介護保険タクシーが利用できるのは、以下のようなケースです。
通院(リハビリや透析、整骨院も含む、鍼灸は含まない)
市町村役場等の手続き
金融機関の手続き、引き落としなど
選挙投票
今後利用予定の通所介護や介護保険施設への見学

 

介護保険タクシーでお願いできる範囲
 介護保険タクシーは、介護関連の資格を持った運転手が、自宅から病院や施設までの移動時に、タクシーへの乗降介助、車を降りてからの自宅や目的地内への移動といったサポートを行うサービスです。

 

 寝たきりの方などの場合は、必要に応じてベッド上での着替え、おむつの交換などをお願いすることも可能です。介護保険タクシーの事業者のサービス提供時間内に利用ができます。契約の際にはあらかじめ確認しておきましょう。

 

 また、車いすのままでも利用が可能です。リクライニング式の車いすやストレッチャーに対応している車両もあります。

 

介護保険タクシーの費用
 介護保険タクシーは移送を伴う介護ですが、運賃は介護保険の対象になりません。そのため、移送料金は利用者が負担します。

 

介護保険タクシーの料金 = 移送運賃 + 介護保険サービス(1割負担、一部2割)

 

 また、上記に加えて迎車料金や待機料金も実費負担となります。透析といった理由で長期間定期的に利用する場合など、ケースによっては運賃の割引が適用されます。 詳しくはケアマネジャーもしくは介護保険タクシーの事業者にご確認ください。

 

介護保険サービス料金
97円/回

 

※厚生労働省「介護報酬の算定構造」(平成27年4月現在)に基づいて計算しています。
※上記はあくまでも目安の金額です。費用は時間帯(早朝・深夜)や地域(市区町村)の区分などによって異なります。
※上記の費用は、自己負担割合が1割の場合です。一定の所得がある方は、自己負担割合が2割になります。

 

介護保険外となる介護タクシーの利用
 下記のケースでは、介護保険適用外となりますが全額自費で介護タクシーの利用が可能です。

 

特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設などに入所している人
入院や退院、入院中の一時帰宅、転院、病院から病院への移送など
?買い物
親戚や友人宅への訪問
映画館、コンサート会場などへの送迎
冠婚葬祭
お墓参り など

 介護保険適用以外の介護タクシーは、ケアタクシーやサポートタクシー、福祉タクシーとも呼ばれています。
要介護認定を受けている人のほか、障害がある方なども利用可能です。

 

料金=運賃+介助料金 もしくは 1時間ごとの料金

 

 業者によって金額は異なります。上記に加えて迎車料金や待機料金も実費負担となります。
割引対応を行っている事業所もありますので、利用料金については業者選定の際に確認してください。

 

 

 

介護のプロとしての介護福祉士とは?

 

 介護福祉士とは, 社会福祉士及び介護福祉士法で位置づけられた、社会福祉業務(身体介護・生活援助等)に携わる人の国家資格です。和製英語で、ケアワーカー(Care Worker)とよばれています。

 

 介護福祉士は、お年寄りや身体の不自由な方の介護をする専門職。食事や入浴、車いすでの移動補助などの身体介護や、利用者への相談・助言などを行います。介護サービスの中心となる、重要な存在です。

 

 介護福祉士は、2016年度(2017年1月実施)の試験より試験制度が変わり、「3年以上の実務経験」に加え「450時間の実務研修の修了」が受験資格として必須となりました。

 

受験資格は?

 

1.厚生労働大臣の指定する養成施設を修了し登録名簿に登録します。
2.介護実務経験3年以上(1095日)以上、実働日数が540日以上で介護福祉士国家試験に合格し登録名簿に登録する。会社や施設から発行される実務経験証明書の原本とコピーが必要(勤務先複数の場合、勤務先ごとの発行が必要である。)

 

 無資格者は450時間、ホームヘルパー3級所持者は450時間、ホームヘルパー2級所持者は320時間、ホームヘルパー1級所持者は95時間、介護職員基礎研修修了者は50時間の実務者研修を修了した者は実技免除で、介護福祉士試験は学科のみとなる。

 

 ガイドヘルパー、喀痰吸引等研修を取得すると時間は短くなる。
老人福祉センターなどで実務経験を積む必要があります。

 

人気の国家資格!
 介護福祉士は、介護の上級資格として人気の国家資格です。資格を持っていれば、確かな介護の専門知識と技術を持った存在として、キャリアアップや社会的地位の向上につながります。
 超高齢社会で、今後もますます需要が高まる介護のお仕事。介護福祉士の資格は、確かな介護スキルの証明となります。一度取得すれば、生涯有効なため、就職だけでなく、転職や再就職でも高く評価されます。

 

 介護福祉施設や事業所でサービスを行うことはもちろん、より幅広い知識を活かし、サービス提供責任者の役割を担ったり、他のヘルパー指導を行ってご利用者様とその家族をよりよい生活に導いていくのが介護福祉士の役割です。

 

実務者研修とは?
 介護現場で活躍するために必要な、介護に関する幅広い知識と技術を学ぶ総合的な研修制度です。

 

 体系的な医療知識や制度について学ぶだけではなく、これまで医師や看護師にのみ認められていた喀たん吸引や経管栄養といった医療行為に関する基礎知識も学べます。
 安全かつ適切な医療的ケアを基礎からしっかり学ぶことで、介護業務の幅が広がります

 

介護福祉士のおもなお仕事
 介護福祉士は、おもに3つの領域について介護業務を行っています。このほかにも、ヘルパーの指導や介護計画作成なども行います。

 

身体介護
お年寄りや身体の不自由な方の介護をする専門職。食事や入浴、車いすでの移動補助などの身体介護や、利用者への相談・助言などを行います。介護サービスの中心となる、重要な存在です。

 

相談・助言
利用者・家族からの相談に対して、アドバイスを行います。

 

生活支援
生活に関わる家事や、身の回りの世話を行います。

 

介護福祉士の働く場って?

 

特別養護老人ホーム
老人保健施設
介護療養型医療施設
通所介護、訪問介護
グループホームなどです。

 

実務者研修の修了で、サービス提供責任者に。

 

 介護福祉士の受験資格に必須である実務者研修。この実務者研修を修了することで、訪問介護事業所で欠かせないサービス提供責任者になれます。利用者40名に対し、1名配置されていないと、介護報酬から10%減算されてしまうため、現場ではサービス提供責任者が必要とされています。

 

サービス提供責任者とは?
 サービス提供責任者は、ケアマネジャーやホームヘルパーとの間で、連絡調整やケアプランのコーディネートといった業務を行います。
具体的には、サービスを受ける側の生活全般の状況を踏まえ、サービス内容を調整したり、ケアマネジャーが作成したプランに従い、具体的な計画書を作成したり、段取りを組むなどの役割を担います。

 

 介護の現場では欠かせないキーパーソンです。

 

介護の現場・お仕事について

 

介護労働安定センターの実施する「平成27年度介護労働実態調査」では、2015年の離職率は16.5%となっており、約6人に1人もの方が介護の仕事から離れているという実態です。
16.5%という数字は、離職率が非常に高い業界だと思います。

 

 その理由の一つとして、体力的な点があります。変則的な時間で働くこと、雇用形態に関わらずシフト勤務になっており、早番・日勤・遅番・夜勤と就業時間がバラバラで、身体を壊しやすいと言われています。

 

 また、要介護のご利用者様の移乗をお手伝いしたり、お風呂に入れたりするには力がいるので、腰を痛める方も。一方、精神的な面では、命を預かっているというプレッシャーがいつもあります。

 

 世間的に介護の現場は過酷と言われていますが、日々ご利用者様と接する中で笑顔が生まれる場所です。ご利用者様に「ありがとう」と仰っていただけるその瞬間が、介護職の醍醐味とも言えると思います。

 

1日の仕事のながれ(デイサービス業務、通所サービス)

 

8:00 自宅まで送迎車でお迎え
「通所サービス」という、ご自宅にいながら日中に介護サービスを受ける形式のため、まず送迎車でご自宅までお迎えに行くところからお仕事がはじまります。

 

9:30到着〜
バイタルチェック・体操・
入浴・お茶出し

 

お迎えから戻ると、まずはバイタルチェック。体温・血圧などを測り、お体に異常がないか確認します。入浴ではご利用者がほっと一息、ほころぶ顔もみることもできます。

 

10:30 趣味活動・トイレ介助
ご利用者の生活や人生に寄り添っていくのも介護の大切な役割。ひとりひとりにあった、趣味の時間も提供します。

 

12:00昼食・服薬・口腔洗浄
「食べる」ことは生きていく基本です。ただの作業ではなく、おいしいと喜んでもらうことが重要です。

 

14:00体操・レクリエーション
レクリエーションはご利用者どうしのコミニュケーションやリハビリも兼ねています。自分が企画したものを楽しんでもらえるとうれしいものです。

 

15:00おやつ・お茶出し
レクリエーションで体を動かしたあとは、喫茶タイム。昼下がりの和やかなひとときです。

 

16:00帰宅準備〜
お送りきっちりご自宅までお送りするまでが仕事です。

 

17:00帰着〜報告
報告・連絡・相談を毎日行うことにより、利用者様の状況を職員全員で把握することができます。

 

17:30業務終了
以上がデイサービス業務の主な1日の流れとなります。

 

 介護職は、現実の課題として働く側の実情が多種多様にあげられますそれは、利用者からの暴力(認知症やアルツハイマー型)があったり、利用者のご家族より異常な程の要求(何時にお茶を飲ませてください等)など。

 

 介護の世界には、利用者との課題もしかり上司や同僚との人間関係も大きな問題に発展することもあります。勤務シフトも時として、大きな負担になります。介護の大変さと喜び、悲しみも日々あります。とても大変な現場の一つです。