Fコードエラー8回点滅したら?!
フォルツァZ MF08を所有し、走行距離も約30000Kmを超えた頃に、しきりにFマークの点滅8回が表示。
この点滅は表示される時と、非表示の場合とが交互に繰り返され、微妙な車体の状況をオーナーに訴えていました。
もちろん運転は可能ですが、スピードは低速走行のみで一向に上がりません。
実はFマークの点滅8回は、ムーバブルドライブフェイスの電子制御停止による速度制限がかかっています。
今回は、シオコントロールの異常について調べてみようと思います。
8回点滅の意味は?
推定故障箇所
レシオコントロールユニットのメモリ異常
では、レシオコントロールユニットのメモリ異常とはどういう事なのでしょうか?
高価なユニット
私がフォルツァMF08を所有していた頃、このレシオコントロールユニットは約4万円オーバーの商品でした。
また当時はSマチックの問題点も少しづつ浮上し始め、度重なるFコードエラーの表示には一時的な初期化による回避や、このレシオコントロールユニットの交換が必要という情報が多かったように思います。
では情報伝達の流れを追ってみます。
1.まずエンジンの回転数やバイクの速度、これらをスロットルセンサーが検出します。
2.センサーSマチックレシオは現在のプーリーの位置を感知する働きを示し、この情報はレシオコントロールユニットに統合されます。
3.送られてくる情報により、制御モーターでプーリーを可動。この動作には、リダクションギヤを通じてムーバブルギヤを回転させます。
4.ムーバブルギヤを回転させることでベルトが移動し、変速へとつながります。
これらがウェイトローラーを用いたプーリーとの大きな相違点です。電気の力でベルトを変速するSマチックなのです。
なお、異常を感知した場合、この変速機能を制限(ムーバブルギヤを電子制御停止)することにより低速での走行となります。
ムーバブルギヤの電子制御の要因
当時は大きな要因として2つあげていました。1つは制御モーターの不良です。
Sマチックシステムは初期化時に後輪が自動で稼働し、ローギヤの位置決めを行います。
このニュートラルの作業から、各変速比でのギヤポジションが決定されます。
ところが制御モーターが規定のトルクを発揮できないとき(パワー不足)、制御モーターとセンサーSマチックレシオの位置が大きくずれてしまうことになります。
これが変速に異常をきたし、Fエラーの発生につながるのです。
この状況にレシオコントロールユニットは、ムーバブルドライブギヤのギヤ機構の問題という判断をするのです。
まれに起こりうる原因
センサーSマチックレシオ内の細いシャフトがありますが、まれにセンターの位置からずれていることがあります。
リダクションギヤと絡みの多いこの部品は、センサーシャフトを抵抗のきいた正常な位置で組み込んであげることが必要となります。
注意して欲しい事は?
制御モーターによる規定のトルク不足、一時的な初期化による問題の回避。最終的な結論としてレシオコントロールユニット内でのメモリ異常?
結果としてレシオコントロールユニットを新品に交換するしかない....
このように判断されるのも無理はないと思います。でも少し待ってください。
レシオコントロールユニットの故障判断には、電気抵抗値の測定から点検を行うことが可能です。
抵抗値:単体での電気の抵抗値を測定。3か所の各端子の抵抗が0〜6Ω以内と規定されています。
どれか1つでも、6Ω以上の数値が発生した場合に交換を検討してください。
先ずは制御モーターの不良を疑うことからでも遅くありません。
ヒントになれば
レシオコントロールユニットの働きとしては、プーリーギアの動作に合うように抵抗値を変化させます。
そしてこの情報をコントロールユニットに信号として伝達します。
ちなみにですが、レシオコントロールの抵抗値測定はエンジンオフの状態にしてから行うようお願いします。(電源カット状態です)
フォルツァMF08のデザインやその機構はまだまだ魅力的なバイクです。これからも現役で活躍してほしいですね。