Forbes JAPAN 30 UNDER 30 特別賞受賞
「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」は、ビジネスやスポーツ、アート及び社会活動に至る領域で挑戦をし続ける、次世代を担う30歳未満の30人を毎年表彰しています。
また2020年より、社会にイノベーションをもたらすパワーを若い世代に与えることを目的とし、30 UNDER 30 JAPANの特別賞として「ston賞」が創設されました。
2020年の受賞者の一人に選出、株式会社TimeLeap代表取締役を運営する仁禮彩香(にれい あやか)さんについて調べて見ようと思います。
中2で起業 教育への違和感と闘う大学生 仁禮彩香が見る未来
日本の教育システムに違和感を
仁禮彩香さんは、湘南インターナショナルスクール(SIS)の幼稚園を卒園し、地元の公立小学校に入学。
幼稚園の時は、それぞれ違いを持った人間同士が、共に幸せ(ハッピー)に生活にはどうしたらいいかを念頭に自身の頭で考える教育を受けていたそうです。
しかし地元の公立小学校に進学すると、教科書と同じ答えを書くことが正しく、既に正解は決まっていた。
先生の指示通りに動いた人が正しい。英語はしゃべれるから話そうとするが、しゃべれない人がいるので、しゃべらないでと。
自主性を重んじていたSISとは、かけ離れた教育システムだったのです。
Shonan international school
C-2F Aerus Tsujido, Hatori 3-1-8, Fujisawashi, Kanagawaken
TEL0466- 37 1030
小学校の6年間、ここに通うのはしんどい
自主性を重んじるSISとは違う小学校の6年間を通うのはしんどい。
ここで仁禮彩香さんは小学1年のとき、通っていた幼稚園のミス・ゲイティー園長先生(Kindergarten Coordinator:Gaiety)に、新たに小学校の新設を直談判するのです。
事実、湘南インターナショナルスクール(SIS)の園長先生は1年で小学校を設立。仁禮彩香さんはそこに転校しています。
この時の経験と小1の時に覚えた違和感により、どこかに助けてくれる人はいるし、自ら行動することで自分の世界は変えられると仁禮彩香さんは雑誌のインタビューで答えています。
この小学校で彼女は、教育材料の選定や授業内容の策定など、学校づくりの取り組みを行っています。
日本の教育現場から離れたことで見えてきた課題
小学校2〜6年生の5年間で学んだ教育の問題や可能性、また日本の教育現場から離れたことで、逆に現場の課題やビジョンが見えてきたのです。
彼女は中高一貫校の私立横浜翠陵校に入学。
そして中学2年生のとき、より良い教育を提供し、またそこで働くことにより社会勉強をしつつ、教育業界に貢献したいとの考えから会社を設立します。当時中学生の齋藤瑠夏さん、齋藤未月さんらと株式会社GLOPATHを設立。
設立に関しては、合気道の先生による出資も受けながら、株式会社『GLOPATH(グローバス)』を起業。学校コンサル、研修開発、CSR支援などを展開しています。
民間企業と組み、各種学校に出張し授業を行うプログラムを展開し、事業は軌道に乗っています。創業メンバーが20歳になったときにこの会社は後輩に譲渡されているようです。
友好的な買収(Mergers and Acquisitions)
仁禮彩香さんは、高校1年生の時に自身の母校である湘南インターナショナルスクール(SIS)を健全経営のために介入するという形で買収されています。
もちろん敵対的買収(hostile takeover)でなく、友好的な買収(Mergers and Acquisitions)で。
さらに2016年には株式会社TimeLeap(旧Hand-C)を設立。事業内容として、小学5年生〜高校3年生までを対象に起業家体験を通して社会や自身について認識する、自己認識・社会接続・才能発揮の3本柱のオンライン起業家体験プログラム『TimeLeap Academy(タイムリープアカデミー)』を運営しています。
彼女自身、学校の経営に関し、授業料も高くなってしまったり運営も大変。持続可能な経営スタンスに転換できないか?
学校経営をしている会社がやるプログラムのほうが、信用があがる。お互いにすごくいい関係でチームを組めるのではないかと述べています。
これらの相互依存の状況把握やビジョンとリアルのバランス感覚は素晴らしいですね。
最新美顔器は、美容家やメイクアップアーティストも愛用中。
起業家はビジョンをビジネスの中に実装
仁禮彩香さんは現在、慶応大学の総合政策学部を専攻。
過去のインタビューの中でこう答えていたのが印象的でした。
「ビジョン」を「ビジネスの中に実装」しなくちゃいけないんですよね。現実にする。ビジョンとリアルのバランスを取ることが大事なので、そこは心がけています。
またこうも述べています。
まずは、「目的」ですね。人を巻き込む時は、どういう目的で巻き込んでるのか、自覚を持つことです。そして、本質を見失わないことを大事にして人と関わるようにしています。
思っていることが言えないとチームワークが悪化するので、「こうしてほしい」とか「こうだとやりやすい」っていう声を聞いています。
足りない部分を受け入れる、認識しておくことがすごく大事だと思っています。
自分が考えたことが現実になるのがすごくうれしかったし、チームのみんながどんなことを考えてるのかを聞くのも好きという仁禮彩香さんのこれからを、冷静に見ていきたいと思います。