セルの不調
フォルツァMF08のセル不調により、エンジンがかからないことが1回だけありました。
トラブルが発生した時は、セル始動時の音(カチ、カチ)や点火プラグそれにFI点灯やメーター系統のインジェクション類の灯火状況などを確認しながら問題の場所を狭めていきます。故障個所の切り分けを行いましょう。
当時の状況は、セルモーターは動きかけて停止。バッテリーは通常値ですが、FI点滅も開始、Fマークが長く1回、短い点滅が3回。
エラーコードの13回とは、何なのでしょうか?
13回点滅
推定故障箇所:レシオコントロールユニットと
エンジンコントロールユニットのモード通知線の短絡または断線。
エラーコード13
エラーコード13は、レシオコントロールを故障推定としていますが確認が必要です。
このレシオコントロールは高価であり、おいそれと修理依頼をかけられません。
チェックポイント
正しいバッテリーの充電がなされていたのでしょうか?
今回は、直前に新品バッテリーを搭載していたこともあり疑うべき項目の1番目に浮上。エンジン始動による正常な充電がなされていれば、レシオコントロールも疑いの範疇に入ります。
レシオコントロールユニット
バッテリーチェックの電圧値を確認
通常ならフル充電、もしくは新しく交換したばかりなのに、バッテリーあがりが頻繁に発生。
これらは正常な充電が行われていない可能性が高いです。
確認方法
センタースタンドを立て、シート下のバッテリーにテスターを接続。(テスターは直流電圧を計測しますのでVマークにー直線の記号位置に)
エンジンをかけ、回転数を4000〜5000rpmに。バッテリーの電圧は13V以上ありますか?
13V以下であれば、充電系のトラブルを疑いましょう。要求電圧が賄えず、きちんとした発電がなされていません。
ヒューズボックス
次に考えられるのが、ハーネスやコネクト部の漏電です。
漏電の状況がある場合、ヒューズ溶断にもつながることがあります。
それぞれのヒューズを1つ1つきっちり確認をしてみましょう。
ヒューズ溶断が見受けられた時は、ハーネス関連の漏電も想定し場所を突き止めていきます。
2つの疑い
ヒューズ溶断、ヒューズ切れもないときは2つの場所を疑ってください。
充電系のジェネレータ不具合(ACG)か発電系のレギュレター(レギュレターレクチファイヤ)です。
レギュレター
巻コイル、そしてフライホイールから発生する電力は交流方式となり、オートバイの電装品(直流)に対応するために発電した交流電流を整流しなければなりません。
プラスとマイナスの交流電流から、プラスのみを導き出す役割を担うのがこのレギュレターです。
過剰に発電された電気を一定の電圧以下に調整するため、高温になりやすく故障しやすいパーツの1つです。赤色のワクがそうです。
出力チェック
画像のレギュレターから出ている赤線は、充電された電圧の出力となります。
テスターは直流モードに、赤丸のカプラを外します。別の黒い先はアースとなりますので、画像の緑のボルト部分に(ボディアース)
上記の電圧を測定します。
レギュレターの発電電圧チェック
さらにもう1つのカプラ(黄色同士)を外します。この画像の青い丸の部分がレギュレターの発電電圧になります。
ここを測定するときは、テスターの交流モードへの切り替えが必要です。
黄色カプラーとボディアース間の導通確認を行います。導通の確認がとれた場合は、ジェネレータコイルが短絡状態です。これにより、レギュレターの交換が必要となります。
レギュレターから発電される電圧の測定をします。ブースターパックを接続しエンジンをかけます。この各端子間の電圧を測定してください。
この時に、エンジン回転数をあげ電圧を測ります。正常であれば、40V前後はマークします。
レギュレターの交換が必要
エンジン回転数をあげても電圧上昇なしの場合は、レギュレターの交換が必要となります。
今回は故障個所を特定するためのプロセスを例として記載してみました。
ジェネレータ不具合による交換方法も次回にのせてみようと思います。