第5のがん治療法、近赤外線光免疫療法

第5のがん治療法、近赤外線光免疫療法

第5のがん治療法、近赤外線光免疫療法

第5のがん治療法
 新しいがん治療法として、世界に先駆けて日本で実用化され、2020年には公的医療保険の適用となった光免疫療法(ひかりめんえきりょうほう)。

 

 手術療法・化学療法・放射線療法・免疫療法に続く、第5のがん治療法としてと期待され、現在はまだ顔や首にできる頭頸部(とうけいぶ)のがん患者のみが対象となっています。

 

 根治できる可能性を秘めた治療法でもあり、さらには食道がんや胃がんでも治験が進んでいます。今回はこの治療法を開発した、米国立衛生研究所(NIH)主任研究員の小林久隆さんについて調べてみようと思います。

 

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2012年、オバマ米大統領(当時)が称賛

一般教書演説で取り上げられほどの画期的な治療法
 2012年オバマ米大統領(当時)が、一般教書演説で正常な細胞にはなんらダメージを与えず、がん細胞だけを消滅させる治療法を開発中だと称賛しました。

 

 事実、これまでの治療法とは全く違い、具体的には、治療の前日に薬を体内に入れ、翌日にがんがある部分に近赤外線という体には無害の光を当てるのです。
 それも光を当てるのは一カ所5、6分なのです。

 

 2015年から米国で治験がスタートし、15人中14人はがんが縮小し、7人はがんが消失したという結果があります。日本国内では、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で2021年3月から、治験が始まっています。

 

 小林主任研究員がこの治療法で使う「抗体」を研究し始めたのは、さかのぼること1985年の京都大学医学部の4年生のころでした。病理学の研究室で「抗体を触り始めた」という。

 

国立研究開発法人 国立がん研究センター

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4年間の研修医生活

放射線科で臨床を経験
 タンパク質の一種である抗体は、体内に入った病原体などの異物にある「抗原」にくっつき、異物を除去します。

 

 もちろんがん細胞にもくっつきます。この抗体を使えば、がん細胞だけを攻撃することができるのです。

 

 これら抗体との出会いが、小林さんのその後の研究の道筋を決めていくのです。

 

 指導教授の勧めから、病理学の研究者ではなく臨床医の経験を積むことに。病理学と同じように、全身を対象にする放射線科で臨床を経験します。

 

 4年間の研修医生活で臨床の厳しい現場にも直面し、がんの放射線治療に従事しましたが、患者さんのがんを完全に治せないばかりか、副作用で患者を苦しめることもあったといいます。

 

 これらの経験から「医者として無力感を感じた。患者さんにダメージを与えず、がんを治す治療法を開発したい」と「現場」を知ったことで、研究への強いこだわりが生まれていくのです。

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世界を知らずに研究はできない

 小林さんは1995年渡米し、米国立衛生研究所(NIH)に赴き抗体と放射性同位元素を使ったがん治療の研究を続けます。

 

 ここでは、主に抗体と放射性同位元素を使用したがん治療の研究を対象とします。


 しかしながら、放射線を使う治療法の限界が見えてきます。この抗体に組み込んだ放射性同位元素が、がん細胞を殺しても副作用は残ってしまうのです。放射性同位元素を体外へと導きますが、脊髄が被ばくし、白血球の減少は避けられません。

 

 ここに放射線治療の難しさがあったのです。

 

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小林久隆氏 プロフィール

小林久隆氏 プロフィール
 現在は、NIH/NCI(アメリカ国立衛生研究所・国立がん研究所)分子イメージングプログラム主任研究員として勤務されています。

 

1961年に兵庫県西宮市に生まれる。
’87年、京都大学医学部を卒業
’95年に京都大学大学院内科系核医学を専攻し修了、医学博士号取得。渡米し、NIH臨床研究センターフェローに。
’98年に帰国し、京都大学医学部助手に
’98年に帰国し、京都大学医学部助手に
’01年に再渡米、NIHのNCIにシニアフェローとして勤務
’11年、光免疫療法の論文が米医学誌『Nature Medicine』に掲載。
’14年にNIH長官賞を受賞、
’17年にNCI長官個人表彰を受賞。

 

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小林 久隆氏の論文の数々

小林 久隆氏論文
 タイトルのみ抜粋しております。

 

Myxoid 型の組織成分を主体とする軟部組織腫瘍のCT、MRIとシンチグラフィ (1995)
軟部組織腫瘤として発見された癌筋肉内転移のMRI (2000)
高分解能三次元画像の立体化視化システムの開発 (2001)
モレキュラー・イメージング(分子イメージング) (特集 画像診断と放射線治療の統合化に向けて) -- (腫瘍イメージングの進歩) (2002)

 

腫瘍特異性MRI造影剤 (特集 形態を離れたMRIの有用性) (2001)
生体内におけるがん細胞の分子イメージング (特集 先端医学に貢献する化学) -- (診断に貢献する化学) (2009)
新しいがん細胞in vivoイメージング法の開発 (特集 分子標的時代における分子診断,イメージング,遺伝子検査) (2009)
海外で活躍する研究者 米国国立衛生研究所からのレポート--研究者としてみた米国と日本 (2010)

 

生体の分子イメージング--米国における取り組みを中心に (特集 Molecular Imagingの現状と将来) (2011)

 

生体イメージング 融合領域における人材を育てよう : 柔軟な組織づくりと個人の意識変革 (特集 日本の化学 : その元気度は?) -- (海外から見た日本のアクティビティー : 拠点を海外に置く研究者に聞く日本の元気度) (2012)

近赤外線を用いた標的分子特異的がん治療 (2012)
座談会 分子イメージング医学応用の近未来 (特集 分子イメージングの最先端) (2011)
米国における分子イメージングの現状 (特集 分子イメージングの最先端) -- (がんの分子イメージング) (2011)

 

特異性を重視した新たな癌の分子イメージングと近赤外光線免疫療法 (2014)
特異性を追求したがんの新規診断・治療技術(その2)近赤外光線免疫療法 (2015)
最新のがん光分子イメージングとその応用 (2016)

がんの近赤外光線免疫療法 : 既存の光線力学療法との違いを中心に (AYUMI 光線力学治療の最先端) (2016)
近赤外光線免疫療法による新規がん治療 (2016)
がんの近赤外光線免疫療法 (特集 光・レーザー医学の新潮流) (2017)

 

P2-41 光による革新的局所がん免疫療法の開発:腫瘍微小環境の制御性T細胞をターゲットとした局所がん免疫療法 (2017)
がんの近赤外光線免疫療法 (2019)

 

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