2021年1月の市議選で初当選
埼玉県の戸田市選挙管理委員会は4月9日、今年1月の市議選で初当選したスーパークレイジー君(本名・西本誠)氏(34)の当選を無効にすると決定しました。
公職選挙法で定める戸田市内での3カ月以上における居住実態がないとし、無効を求める異議申し出が市民からあったことから、調査の結果報告により「生活の本拠を移したとはいえない」と判断しました。
西本誠氏は、選挙活動中における特攻服姿での街頭演説や独自の選挙戦で世間からの興味と関心を集め、1月31日の市議選で912票を獲得し当選者26人のうち25番目の投票数獲得者となりました。
戸田市選挙管理委員会では、西本氏は2020年10月5日に東京都中央区から戸田市に住民票を移動。しかし、旧住所の電気料金契約は西本誠氏の名義のまま残されており、実際に妻子も旧住所を生活の場として暮らしていることなどから、戸田市に生活の本拠を移していないと判断したのです。
これに対し、西本氏は「妻子が暮らす都内の家に行くことはあったが、寝泊まりは戸田市でしている」とし、居住実態はあると重ねて主張しています。
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スーパークレイジー君 "てんてんむし" (Official Video) "西本誠"
スーパークレイジー君ピンチ!?居住実態が無いってどう判別?当選無効の事例は?|第66回 選挙ドットコムちゃんねる #1
審査申し立てを行うと
決定を不服とする埼玉県選挙管理委員会への審査申し立てが5月1日までになかった場合、落選者のうち最も得票が多かった公明党の新人候補・三浦伸雄氏(38)が繰り上げ当選します。
西本氏は、審査申し立てを行うと表明した上で「徹底抗戦する」と強調しています。
現状では、戸田市の選挙管理委員会の決定であり、スーパークレイジー君議員は埼玉県の選挙管理委員会に不服申し立てをすることが可能です。
また、その後訴訟に移ることもできるため、これが最終決定ではないことを踏まえる必要があるでしょう。
しかしながら戸田市選管の発表された資料では、当選無効に至る経緯についてかなり細かく記載されています。
この市選管が要求した事柄について、資料の提出が事実上なされなかったことにより、今回の無効判断の事由として挙げられています。(戸田市公式の「戸田市議会議員一般選挙における当選の効力に関する異議の申出に対する決定について」に詳細が記載されています。)
夜中呼び出しの恫喝行為で更迭
実は本件については選管事務局長が、当選後に議員就任前のスーパークレイジー君に当選辞退を迫るなどし、処分を受けるなど市選管側にも不手際がありました。
これは戸田市選挙管理委員会事務局の事務局長が、夜中にスーパークレイジー君を呼び出しを行い恫喝行為を行ったことにより更迭された経緯が発生しています。
選挙管理委員会事務局職員の対応について選挙管理委員買会の発表PDF
詳細は夜遅くに西本誠氏が市役所職員に呼び出されて、議員就任の前に辞職を遠回しに勧められたというものです。
あくまでも個人的な見解から
戸田市の有権者数は、11万人を越えています。今回、西本誠氏は1000票に届かない912票を獲得し当選しています。
彼の選挙活動中の言動や特攻服を着用したパフォーマンス、それにTwitterでの文章表現力や伝達能力の乏しさ・戸田市議を全うできるだけの資質や資格を兼ね備えているのかという戸田市民のお気持ちがわかるような気がします。
市選管の報告書をまとめた資料によれば、西本誠氏の運転免許証の住所を変更していなかった事由が「住所が埼玉県になることに抵抗があるので」だという。これには一般の感覚からすれば、居住実態云々以前に、そんな感覚の人が市議会議員になること自体おかしいでしょう。事実、免許証やクレジットカードなど住民票以外の全てが住所変更されていません。
また別な角度から状況を確認すると、有権者数の1%の支持も無い人が当選する事もどうかと思います。精査すると期間内における地方税も払った事がないこの候補者を立候補、当選させる戸田市選挙管理委員会の資質も問われてしまいます。有権者数から見た、現状の戸田市議会における議員数の多さもどうかと思います。
居住実態とは?
素朴な疑問として、居住実態の3ヶ月で戸田市政の良し悪しや改善点、戸田競艇場などを含めた財政の歳出や歳入の収支バランスなどマクロ・ミクロ状の視点からピントを合わせられたのでしょうか?
時間系列では逆になりますが、結果として3カ月以上における居住実態がなかった為、選管事務局長が当選後に議員就任前のスーパークレイジー君に当選辞退を迫ったのではなかったのでしょうか?
物事の起点から本質を見極めることで、時間とコストの削減と適材適所な人物の選定につながると思います。
住んでいた事実はない
1月の埼玉県戸田市議選で初当選したスーパークレイジー君(本名・西本誠)議員(35)が、当選を無効とする県選挙管理委員会の裁決の取り消しを求めた訴訟の判決が、2021年10月15日東京高裁でありました。
渡部勇次裁判長は、「市内に日常的に住んでいた事実はない」として請求を棄却、当選無効を認めました。
この日の判決は、「市内の特定の銀行のATMを何回か使用した」という議員の説明が、事実と反していることや、移動手段であった自動車の駐車場の領収書が1枚も提出されなかった点を指摘。
生活の本拠地は東京都内の住居ありで、市内に3カ月以上住んでいるという公職選挙法上の被選挙権の要件を満たしていないと結論づけました。