400CCとの大きな違いは車検不要
もう一度、ビッグスクーターの特徴を確認してみましょう。
125ccでは走行が出来ない高速道路の利用が可能なこと、それに400ccとは違い車検がないことです。
ちなみに400ccクラスでは車検を2年ごとに受ける必要性が生じ、仮に所有することも踏まえながら確認しみようと思います。
特にこの点につきましては、維持費にも大きく関与する内容ですね。
重量税 |
自動車損害賠償責任保険 |
印紙代 | 初度登録の場合の費用 |
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・初度登録ー13年未満 3,800円 |
・24ヶ月 13,640円 |
・基準適合性審査の |
初度登録 |
上記の表は、法定費用といい400ccの車検にかかる費用として最低限のものになります。
さらに、これらの車検をバイク屋さんに依頼をされた場合には、次のような内容も項目に含まれてくるのです。
バイク屋さんに依頼したとき | ||
---|---|---|
代行手数料 | 法定費用 | 法定整備基本料金 |
整備費用 | 部品代 | その他 |
法定費用は変わりませんが、それ以外はバイク屋さんによって金額の相違がでてきます。
実際のところ、家庭を持っていたり、マイカーをの所有もあれば、お財布の紐をにぎる奥様との話し合いも出てくるかもしれません。
車検には2つの方法があります。
先ほど、バイク屋さんに車検を依頼した場合の代行手数料や法定費用、法定整備基本料金などについてみてきました。
実はそれらの費用以外に、オイル交換やチェーン、またタイヤなども新しい物にした場合には、工賃や部品代が別途発生します。
このような整備を兼ねた車検をディーラー車検もしくは整備車検と呼んでいます。
車検の依頼方法 | 内容 |
---|---|
業者のディーラー車検 | 消耗品の交換や整備費用、さらに部品代が別途かかる場合があります。 |
陸運局に自らバイクを持ち込んでみるのも
通勤やカスタムバイクなど、定期的にバイクについての状態を管理されている方であれば、ユーザー車検というのはいかがでしょうか?
ユーザー車検においては平日、陸運局にご自身でバイクの持ち込みをします。
当然のことながら、保安基準適合検査に適合しなかったり、書類に不備があったときには車検に不合格となります。
最低限の整備スキルと、車検にパスするための光軸検査などをきっちりクリアすれば、合格することも十分可能なのです。しかしながら、光軸検査というのは重要項目の1つであり、逆にいえば不合格になりやすい検査とも言えるのです。
また、検査員のアドバイスをもらいながら予備車検場で、予備検査(約3,000円)を受けることも必要になってきます。
ユーザー車検 | 陸運局に平日、バイクを持ち込みます。 |
---|---|
保安基準適合検査 | 書類に不備がなく、また車体の保安基準適合検査に合格しなければなりません |
備考 | 陸運局の隣にあります予備車検場で、予備検査を受ける必要性があります。 |
車検の検査項目は多岐に渡りますが、パスできない項目の一つに光軸調整というものがあります。
これは光の指す方向が正確な位置になるように、ヘッドライトの灯体リフレクターを調整する作業を、光軸調整といいます。
ヘッドライトは対向車に対して眩しくなく、自車の前方もしっかりと照らす役割を担わなければなりません。
車検で定められている光軸調整の基準
壁から1m離れてヘッドライトを照射したときの1番明るい点と、10m離れて照射したときの1番明るい点に対して、どの程度のずれかを計測します。
左右方向へのずれ | どちらも27cm以内 |
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上方向へのずれ | 10cm以内 |
下方向へのずれ | 地上からヘッドライトまでの距離×20%以内 |
この光軸調整の適合範囲を見ると、左右のずれよりも上方向のずれが10cm以内と、シビアになっているのがわかります。
検査項目@の捉え方
バイクの車検でチェックする項目を、細かく書き出してみました。2022年7月現在の状況となっております。
例えば、検査項目の@であれば、検査員が車検証と実車を見比べながら保安基準適合情報のチェック、外観の確認を始めていきます。
検査項目@ 対象内容
●ミラーの面積が基準より小さいとき。
●タイヤのスリップサインが出てしまっている。
●反射板の取付不備。
●乗車定員が2名に対し、2人乗りに必要とするステップ、タンデムグリップなどが未装備。
●オイル漏れの発生
車検証に記載してある乗車定員や、車体のサイズ、タイヤ、オイル漏れや各部のゆるみ、反射板などについてチェックをしていきます。
各種パーツの改造が施されている場合には、検査員によるメジャーでの採寸を行います。これにより、基準をはるかに超えるケースでは、車体の構造変更の申請が必要となります。
検査項目Aの捉え方
灯火類の検査も重要な項目の1つです。灯火類というのは、ウィンカー、ヘッドライト、ブレーキランプ、それにホーンとなります。
バイクのエンジン始動から検査がスタートし、検査員の指示に従いヘッドライトとブレーキランプ、ウインカー、およびホーンが正常に機能・作動確認を行います。
ユーザー車検では基本的に全てを作動させ、正常に動作確認がとれれば問題はありません。
保安基準不適合ケース
具体例、8,000ケルビン以上のHIDヘッドライトに変更が施されていたり、電球切れなどが実際に起こりうるケースです。
検査項目Bの捉え方" alt="">
検査項目Bの捉え方
検査項目の3項目は、排ガス・騒音の検査となります。
排ガスの検査では、マフラーの排気口に専用の機械をあて、適正値数値以下なのかをチェックします。
騒音の検査においても、マフラーの吹き出し口に測定器を設定し、エンジンの回転数を上げながら基準を満たしているかどうかの確認を行います。
保安基準不適合ケース
ノーマルマフラーかつ、排気漏れがなければ問題はありません。排ガスと騒音検査における不適合ケースは、社外マフラーのウールが該当します。
また車検対応の社外マフラーで注意が必要なのは、サイレンサー内部のウールの磨耗があります。結果として、この排ガス及び騒音検査に不適合と判断されてしまうのです。
不安要素であれば、ウールを交換もしくは純正マフラーへの交換を推奨します。
検査項目Cの捉え方
バイク車検の検査項目Cは、スピードメーターの検査です。
この検査は対象となるバイクの前輪を、検査ライン上のローラーに乗せます。
ローラーの自動回転から徐々に前輪が回り、スピードメーターが時速40kmを指したときに、検査場のフットブレーキもしくは専用操作ボタンで合図をするのです。(検査場により若干の違いがあります)
フットブレーキを踏んだタイミングまたは、操作ボタンでの合図のタイミングが、ローラーの時速と合致すれば検査合格となります。
保安基準不適合ケース
スピードメーターケーブルの不具合もしくは、メーター回転部のギヤの摩耗によるロス。
カスタムメイドによるタイヤインチサイズの変更により、スピードメーターの同期がとれていないケース(タイヤサイズと回転数の同期調整が必要です)
検査項目Dの捉え方
検査項目の5項目は、ブレーキの制動力検査になります。
ブレーキ制動力のチェックには、スピードメーターの検査で用いたローラーの設備を使用します。
バイクの前輪をローラーに乗せ、ギアをニュートラルにし、バイクを垂直に立てます。
ローラーの回転が始まり、一定の速度に達したところで検査員が合図もしくは、電光掲示板にブレーキをかけるという文字が点灯します。
この合図(点灯)と同時にブレーキを強くかけるのです。強いブレーキからバイクの車輪とローラーの回転を止め、一定の時間内におけるブレーキの正常作動を検査します。
前輪の検査が終了したら、次は後輪へとうつります。検査終了後は、その場で前ブレーキ〇や後ろブレーキ〇などの電光表示がされます。
余談ですが、私は不合格になりたくない一心で、タイヤがロックする位の力でレバーを握った記憶があります。
(注意 検査場によっては、電光掲示板のブレーキをはなすという文字点灯がない限り、ブレーキを離してはいけません)
保安基準不適合ケース
ブレーキパッド・ディスクブレーキーの偏摩耗や厚みのチェック、ブレーキ制動時におけるバッドの音鳴りには注意が必要です。
検査項目Eの捉え方
検査項目の最初からここまでは、比較的問題なく通過するケースが多いと思います。
しかしながら、最後の検査項目となりますヘッドライトの光軸検査は不合格になる時があります。
テスター屋で調整された時は、車両にまたがった状態での光軸調整だったのか、または座らずに垂直状況の維持姿勢なのかを思い出し、本番でも同じ体勢で受けることが大切です。
検査は、電光掲示板または検査員から指示が出ますので、ヘッドライトテスターの場所までバイクを持っていきます。
ヘッドライトの測定を、ロービームで行うかハイビームで行うかは検査員の指示があるまで行わず、落ち着いて検査員に従いましょう。
検査項目一覧
検査項目 @ | 車検証記載内容との違いと外観の確認 |
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検査項目 A | 灯火類の確認をします。 |
検査項目 B | 排ガス・騒音の検査をします。 |
検査項目 C | スピードメーターの検査をします。 |
検査項目 D | ブレーキの制動力の検査をします。 |
検査項目 E | ヘッドライトの光軸・光量の検査をします。 |
今回は、本来のビッグスクーターの選定する内容とおおきくかけ離れましたが、ユーザー車検をこれから受けられる方に、少しでも参考になれば幸いです。