1千億円程度で買収
英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズは、「家庭教師のトライ」を手掛けるトライグループ(東京)を1千億円程度で買収することがわかりました。
買収のねらいとして、新型コロナウイルス禍で需要が拡大したオンライン教育やトライの運営に対する受講生の着実な増加があげられます。
トライグループはまだ非上場ですが、CVCは買収後3〜4年で上場させる意向とみられます。
今回はこのCVCキャピタル・パートナーズについて調べてみようと思います。
2003年にスタートした日本法人
シーヴィーシー・アジア・パシフィックジャパン株式会社は、2003年にスタートした日本法人となっており、2015年5月に代表取締役社長 パートナーとして赤池 敦史氏が就任しています。
世界最大級の老舗PEファンドとして確かな地位を確立しているCVCキャピタルパートナーズ。言うならば、CVCはPE市場における世界のトップランナーと言っても過言ではないようです。
2015年5月に代表取締役社長 パートナーとして赤池 敦史氏が就任
PE(Private Equity)ファンド
PEというのは、「プライベート・エクイティ・ファンド」の略となっています。多くの機関投資家や個人投資家から集めた資金を、未上場企業に投資。
これにより経営支援や関与することにより企業価値を高め、IPOや売却によって利益を得ることを目的としたファンド。
資金調達をLBO(Leveraged Buy Out=対象企業の資産を担保に借入で資金を調達しM&Aを行う手法)で行う場合がおおくなっています。
過去にSBIホールディングスから
過去にSBIホールディングス株式会社が保有していた信和株式会社に対する全株式を、CVCキャピタル・パートナーズが運営するファンドに譲渡。
SBIホールディングスの保有株による売却額は開示されていませんが、取引でCVCキャピタル・パートナーズ系ファンドが支払った額は100億円を超えたようです。
主な投資実績
タワーレコード株式会社
昭和薬品加工株式会社
信和株式会社
ミニット・アジア・パシフィック株式会社
株式会社すかいらーく
テクノプロ・ホールディングス株式会社(旧グッドウィル・グループ)
アルテリア・ネットワークス株式会社
HITOWAホールディングス株式会社(旧長谷川ホールディングス)
株式会社りらく
幹部級社員の半分が車谷暢昭社長の不信任を
まだ覚えている方も多いと思います。2021年4月7日、CVCキャピタル・パートナーズが東芝の買収を検討していると報じられました。
この件への対応などをめぐっては、幹部級社員の半分が車谷暢昭社長の不信任を考えているという社内調査結果が報道機関にリークされたのです。
4月14日午前中におこなわれた臨時取締役会で、車谷暢昭社長は辞任を表明。結果として4月20日、買収の撤回が報じられました。
シーヴィーシー(CVC)・アジア・パシフィック・ジャパン株式会社
シティグループのVC部門を出自とするPEファンド、CVCキャピタル・パートナーズの日本法人となっています。
日本を含むアジア太平洋地域さらに欧州で総額、約419億米ドル(約3.4兆円)の運用を行っています。現在、300社を超える投資実績があり。
所在地 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング32F
設立 2003年
沿革 2005年 前身のCVCアジア・パシフィック・コンサルタンツ・ジャパン株式会社設立
2006年 CVCアジア・パシフィック・ジャパン株式会社に社名変更
コアメンバー 代表取締役社長 パートナー 赤池敦史