家族ぐるみの犯行
北海道札幌・ススキノのホテルで、男性が首を切断された状態で見つかった事件に急展開です。
北海道警は「死体損壊」「死体領得」「死体遺棄」、などの疑いで、北海道厚別区厚別南2、田村瑠奈容疑者(29)と精神科医である父親の修容疑者(59)と母親の浩子容疑者(60)の一家三人を逮捕しました。
主犯は被害者と何かしら関係があるとされる娘の瑠奈容疑者です。「容疑者宅の2階にある浴室で発見された首は、3週間ほど経過したこともあり、腐敗が進んでいたこともあって、被害者本人かどうかの確認には歯形の鑑定が必要でした。
頭部を自宅に保管して暮らしていたことを考えると、かなり異常な精神でしょう。まさかの家族ぐるみの犯行でした。
犯行動機もまだわかっていない状況のようです。今回は、田村容疑者の生い立ちや卒業写真、また不登校だった学生時代について調べてみようと思います。
学校に馴染めずに不登校に
田村瑠奈容疑者は5歳ごろから1年ほど千葉に住んでいましたが、その後2004年に現在の札幌市厚別区に引っ越してきました。
田村家の事情を知る人々の証言によれば、地元の公立小学校・中学校に通っていたものの、小学校の途中から不登校ぎみになり、中学校でもほとんど通えない状態が続いていたようです。
また、小学校時代の同級生たちは、田村瑠奈が小学4年か5年の頃に転入してきましたが、ほとんど学校で姿を見かけなかったと話しています。いじめなどはなく、ただ単に学校に馴染めずに不登校になったのかと思われていたようです。
小学校の卒業文集では、修学旅行について他の生徒たちと同じように「たくさんの楽しい思い出ができました」と書いています。
しかし最後に「でも、女子で私だけが木刀を買ったのはちょっと意外でした」と、少しこだわりを見せていました。田村瑠奈の自宅近くの住民も、彼女が小学校と中学校で馴染めずに不登校ぎみだったことを彼女の母親から聞いていたと証言しています。
その住民によると、田村瑠奈は中学校卒業後、私立高校に進学したそうです。
激昂して暴れることが
小学校時代は、田村瑠奈容疑者は大人しくて静かな印象を持たれていました。
しかし、気に入らないことがあると激昂して暴れることがあったようです。小5の時には、同じクラスの同級生が瑠奈さんの服装を「アニメのキャラみたいだな」と茶化したら、急に筆箱からカッターナイフを取り出し、追いかけてきたんです。
そして、馬乗りになり首にカッターを突き付けられました。周りの友達が止めに入ってくれたので、その場は収まりましたが、瑠奈さんは「次言ったら刺すからな」と言っています。本当に刺されるかと思いました。今でもその瞬間は鮮明に覚えています。
さらに、田村瑠奈容疑者の祖父は、瑠奈容疑者のある病気を「気難しい持病」と表現しています。
今回の事件について振り返りますと、(瑠奈にとって)許せないことがありました。気難しい持病があるため、突然感情が抑えられなくなるんです。
どうにも止まらなくなってしまうんですよね。そうなると何をするか分からないというか……。
母親の方(浩子さん)も捕まるのではないかと思っていました。瑠奈さんがやっていることも修さんがやっていることも、浩子さんは知っているんです。
3人家族だからです。知っているということは、共謀だということなんでしょうね……。と。
田村瑠奈容疑者は発作を伴う持病
田村瑠奈容疑者は小学校から中学校を通して不登校気味で、高校進学後の経歴もほとんど情報がないようです。
ただ、近隣住民から札幌の私立通信制高校へ進学したとの証言が残っています。しかしながら、田村瑠奈容疑者は発作を伴う持病(おそらく精神疾患)が悪化し、結果として高校を卒業せず中退したようです。
瑠奈容疑者の祖父によると、高校の途中まで行ったんだけど、行けなくなっちゃって。
だから、常時はうちにいてさ。うちにいて、好きなことやってんだけれども。夜間スクールみたいな、なんかのところに気が向いたら出かけていったりさ。自分で買い物するために出かけていったりする程度のことしか、私は押さえていないけど。
また祖父は、田村瑠奈容疑者が高校中退後は仕事もほとんどしなかったと話していました。
被害者には強い怨恨があったのではないか
瑠奈容疑者と被害男性は知人関係だったことや、瑠奈容疑者と修容疑者が事前に刃物のようなものとスーツケースを購入していたことも明らかになりました。
ホテル客室内で男性が刃物で襲われる様子が動画で撮影されていたことが1日、捜査関係者などへの取材で分かりました。
動画は瑠奈容疑者が撮影したものとされており、今後は殺人容疑でも捜査を進める予定です。被害者には強い怨恨があったのではないかと考えられます。
両親とも逮捕されましたが、父である修容疑者は精神科医の立場から娘である瑠奈容疑者の異常性に気付いていたはずです。
本来は助ける立場にあるべきでしたが、両親の同情や愛情が優先され、罪を犯したと思われます。
神戸連続児童殺傷事件で、犯人は被害児童の首を校門に晒したのですが、その前に家に持って帰って一時保管していました。つまり、自分が手に入れた獲物の象徴なのです。それを傍に置いておきたいという心理は、サディズムに満ちた殺人犯ならありえると言われています。