Sマチックのエラーと考えて下さい
2代目フォルツァMF08に乗り続け、車両状態の異常を示すエラーコードが点滅し、最終的には速度抑制につながる時があります。
車両の異常状態の把握には、Fコードの点滅回数から、ある程度の故障場所や内容を推定することができます。故障箇所の切り分け判断の1つとして活用しましょう。
もし、頻繁に繰り返す特定のエラーコードがあった場合、それに対する対処方法を習得すれば、突然の表示にも冷静に対応ができるでしょう。
今回はエラーコード 7回の点滅、フリクション過大について調べてみようと思います。
7回の点滅とは?
あらためて7回の点滅内容を確認してみましょう。メンテナンスガイドには下記のような説明があります。
推定故障箇所
制御モーターからムーバブルドライブプーリードライブギヤ間のギヤ機構のフリクション過大
でも、専門用語で何を意味しているのか分かりにくいです。画像を踏まえながら各パーツを追っていきます。
制御モーター
赤い丸で囲んだ部分が制御モーターです。
この制御モーターから、次に解説するリダクションギアを介しプーリの裏にあるギアを動かします。Sマチックのプーリーベルト幅を調整しています。
リダクションギア
制御モーターからプーリーとの中間に位置するのが、このリダクションギアです。品番は ASSY B 22330-KSV-J30
ここまでの流れ
これまで制御モーターとリダクションギアを見てきました。次はムーバルドライブギアを確認しましょう。
駆動系パーツとしてドライブプーリーがあり、外すとムーバブルドライブプーリー本体が固定されています。
ムーバブルドライブプーリー本体
ドライブプーリーを外します。
ムーバブルドライブプーリー本体が現われます。
ムーバブルドライブプーリー
ムーバブルドライブプーリーの外し方は、まず2か所ある10mmの六角ボルトを緩めステーを取ります。
さらにムーバブルドライブプーリー本体を止めている中央の12mmをとります。
このように本体の脱着はできましたでしょうか。
フリクション過大とは?
制御モーターからリダクションギア、ムーバブルドライブプーリー本体のギヤへの動力の流れはつかめたでしょうか?
フリクション過大とは、この制御モーターからリダクションギアそしてムーバブルドライブプーリー本体までのどこかでフリクション(抵抗や摩擦)により、レシオセンサーが感知しエラーコードの7を点滅させることになります。
今回の疑われる原因の1つとして、ドライブプーリー本体assy内のベアリングの破損があります。
横からの画像
下からの画像
さらに反時計方向にまわすと、下記画像のように分離します。
ここで確認したいのが、2つのパーツを個々に回して見てください。
回してみたことで、ベアリングの音や、回転時の違和感(抵抗など)はどうでしょうか?
ベアリングの破損があれば、なめらかな回転ではなくシャリシャリといった音がすると思います。
エラーコードの7、フリクション過大(摩擦)を解決するための1つ目のチェックはこの2つのベアリングになります。
ベアリングの破損があれば、制御モーターから個々に伝わる摩擦・抵抗によりレシオセンサーが察知し、エラーコードの7の点滅につながります。
2分割になったプーリー部分も問題がなく、最後の組み込み時にはグリスアップをしましょう。
制御モータの負荷軽減にもつながります。
レシオセンサーを必ず外しましょう
ムーバルドライブギアのベアリングの破損や異常が見られない場合は、リダクションギアの確認作業を行います。
ここでの注意点は1つあります。制御モーターの上部に設置されたレシオセンサーと制御モーター必ず外してからの作業をお願いします。
レシオセンサーを取り付けたままで、内部のギヤをクルクル回した場合、レシオセンサーを破損させてしまうことにもなります。
レシオセンサー
レシオセンサーの取付位置
レシオセンサーを取外し、赤い丸のリダクションギアをまわしてみましょう。回転中の負荷がないか確認をして見てください。
なお、ドライブベルトを新品に交換した時や、レシオセンサやレシオセンサシャフトの脱着など位相関係が変化する作業を行なった場合は、ホンダ Sマチックシステムの初期化を行うことを必要とします。