日本国事跡考
江戸時代初期の全国を行脚した儒学者・林羅山の三男、林春斎(林鵞峰)が、寛永20年8月13日(1643年9月25日)に執筆した著書、『日本国事跡考』の陸奥国のくだりにおいて「三処奇観」であると記したのが始まりで、日本三景が登場しました。
日本の3つの名勝地として、宮城県にある「松島」、京都府にある「天橋立」、そして広島県にある「宮島」になります。
以後日本の和歌や文学などにも度々登場し、日本国内のみならず外国人観光客も数多く訪れる観光地として人気を博しています。
日本三景を雪月花にあてる場合、「雪」は天橋立、「月」は松島、「花」は紅葉を花に見立てて宮島をあてているようです。
今回はこの日本三景の日について調べてみようと思います。
7月21日日本三景の日
日本三景の日、7月21日は林春斎の1618年(元和4年)の誕生日(グレゴリオ暦)にちなんでいます。
この7月21日は、日本三景の特徴でもある青い海と松の深い緑の景観がが際立つ夏の時期でもあります。。
日本三景はいずれも1952年(昭和27年)11月に国の特別名勝に指定されています。
また、日本三景はそれぞれ世界遺産登録に動き、1996年(平成8年)12月に宮島の厳島神社(いつくしまじんじゃ)がユネスコの世界文化遺産に登録されたのです。
時を経ても、尚多くの人が足を運ぶ魅力が、この日本三景には溢れています。
グレゴリオ暦とは
グレゴリウス暦は太陽暦の一つで、世界の多くの国で採用されている暦法となっています。1582年当時のローマ教皇グレゴリウス13世によって導入され、ユリウス暦と同様に約4年に一度の閏年を設けて調整します。
グレゴリオ暦における1年は365.2425日となっており、ユリウス暦に比べ太陽の運行とのずれが大幅に縮小されています。日本では、1873(明治6)年1月1日に、太陰太陽暦からグレゴリオ暦に改暦されています。
1年の平均日数は365.2425日となり、1年の長さ(1太陽年)は理論的に、365.24219878日−6.14日×10−6×Tとなります。
仙台藩初代藩主・伊達政宗ゆかりの地
松島は景勝地である一方、仙台藩初代藩主の伊達政宗ゆかりの地でもあります。あの独眼竜政宗ですね。
伊達家が利用した月見御殿や、政宗公が造営を手がけた寺院・仏堂など、歴史的建造物も数多く残されており、歴史的な見どころが豊富です。
松島湾の特徴として、丘陵が沈下し、海水の流れ込みみより頂上部分が島となっています。松島湾には260余りの島々があり、牡蠣の養殖が盛んです。
さらに、松島を代表する観光名所として名高い「瑞巌寺(ずいがんじ)」。はじまりは天長5(828)年、慈覚大師円仁が開創した「天台宗延福寺」と伝えられ、法身禅師が開山し、寺名を「円福寺」と改称、宗派を臨済宗に改めています。
戦国時代を経て衰退はしたものの、江戸時代に入り仙台藩藩主となった伊達政宗公によって再興を果たしたのです。政宗公が5年の月日をかけて完成させた本堂と、寺の台所である庫裏が国宝とされています。
宮津湾にある『天橋立』
京都府北部、日本海の宮津湾にある『天橋立』は、幅は約20〜170m・全長約3.6kmの砂嘴(さし)でできた砂浜からなり、大小約8000本もの松が茂っている珍しい地形となり、天に架かる橋のように見えることから『天橋立』の名が付きました。日本の美として「雪月花」を当てることが多いですが、天橋立は「雪」になるでしょう。
天橋立の楽しみかたとして、展望所からの眺めはもちろんのこと、天橋立の中を歩いたり、自転車や船に乗ったり、海水浴場で泳いだりと自然を体感する事ができるのです。
この標高130mの文珠山山上にあり、天橋立を南側から一望できる展望遊園地は、股の間からのぞき見る「股のぞき」で知られる人気スポットとなっています。
また、「股のぞき」した時の眺めは、天地が逆転することで舞い上がる龍のように見えることから「飛龍観」と呼ばれているのです。
日本三景 天橋立(あまのはしだて)
住所京都府宮津市文珠天橋立公園
アクセス京都丹後鉄道天橋立駅から徒歩約5分。宮津天橋立ICから車で約10分
島内にある「厳島神社」
広島県にある「宮島」は、国内外からも多くの観光客が訪れる場所です。
正式名称は「厳島(いつくしま)」、広島県廿日市市(はつかいちし)の瀬戸内海にある島で、島内に「厳島神社」があるため、“宮がある島”として宮島と呼ばれるようになりました。
厳島神社は、平清盛により今の社殿が整えられ、海水の満ち干きによってさまざまな美しい姿を見せてくれるので、訪れる時間によって違う魅力を楽しめる神社です。
1996年(平成8年)12月に宮島の厳島神社(いつくしまじんじゃ)がユネスコの世界文化遺産に登録されました。
厳島神社
住所 広島県廿日市市宮島町1-1
アクセス 宮島棧橋から徒歩で12分